toff director blog #5
皆様こんにちは。toffディレクターの関です。
洋服屋業界では秋冬シーズンの立ち上がりは一般的には8月ですが、実際には暑過ぎて秋冬の事なんか考えられませんよね。
最近ではその「立ち上がり」を遅らせているショップやブランドも多いと聞きます。
昔とは違って(昔だって夏は暑かったでしょうが)より四季の変化が感じられにくくなった今の日本(11月でもまだ暑かったり)では良い取り組みかもしれません。
とは言え洋服好きとしてはさすがに今月あたりから新しい季節のアイテムが気になったりするのは仕方の無い事です・・・
今回はtoffでの取り扱いが今シーズンからスタートした、イギリスのハットブランドJr&Coのお話です。
toffとは別で、ロンドンのショップのバイイングを担当している時に、そのロンドンのショップのオーナーから紹介されたブランド。会ってみると帽子を3型しか作っておらず、それに使う素材を毎シーズン変更するだけという極めて「不器用」なブランドという点に惹かれオーダーする事にしました。
日本の他のショップにも紹介しましたがピンポイントすぎるラインナップの為、どこも反応せず、自然と日本国内ではtoffだけの独占販売(おおげさに言ってみたかっただけです)となったのでした。
ロンドンベースなので、ロンドンにはいくつかの取り扱い店がありますが、Jr&Coではショップごとにチョイスする素材(シーズンで決められている中での厚さなど)や色の全てがショップのエクスクルーシブになります。
つまり全てがショップの別注品と言えば分かりやすいでしょうか。それを実現する為の生産背景としてロンドン市内の小さな帽子工房を使っています。ハンドメイドで製作されるため少量でも別注品として対応できるのです。
今回toffでチョイスした2型はどちらも同じ素材です。シーズンのチョイスがWaxed cottonなのですが、その中でも中間の厚さのものを選んでいます。
一番厚いものはハードで格好良いですが、ギトギトなので普段使いではちょっとしんどいかなと思い(本格的なアウトドア=雨をしのぐ道具として使うのは最高でしょう)、一番薄いものだと軽くて扱いやすそうですが素材としての面白みに欠けます。色は深めのネイビーです。
サンプルの帽子は全てオリーブカラー(バブアーで良く見るような色)で製作しており、この辺りからも「不器用」なブランドの魅力が垣間見えていました。
オリーブも本格的で最高に格好良いのですが、街中でかぶることを考えるとネイビーが一番使いやすそうです。どこにでもありそうなハットとキャップですが、かぶると一癖あって意外と特徴的です。
これからジャケットやコートなど、着こなしが重たくなってくる時のバランスを取るのに最適な遊びが効いていると思います。
ハットは前を折り返すのも良い感じです。と、後ろのボタンも良いアクセントに。
2型それぞれ少量入荷となっておりますので、気になる方はこの週末にでも是非ご覧になってみてください。
それでは皆様、また10月末にお会いしましょう。
素敵な秋の始まりをお過ごし下さい。
toff ディレクター関