toff director blog #27
皆様こんにちは。toffディレクターの関です。
今月はいつもより少し長めの3週間ほどの東京滞在を終えて、Parisに戻ってきたところです。
東京では到着後からちょっと肌寒い〜雨続き〜梅雨明け夏日、と全て体験できて贅沢な気分には全くなりませんでしたが、東京らしいと言えばそうかもしれません。
その間のParisはと言いますと気温42度(!)でもちろん冷房無しの生活ですから、皆さん干からびてしまったようです。
で、その猛暑が落ち着いた頃にParisに戻ってきたものですから、この異常気象を体験せずにいたのはラッキーなような残念なような・・・
(きっとラッキーですね)
そして今はカラッと気持ちの良い日々を過ごしています。
さて、toffのデニムと言えばWESTOVERALLSがもちろん大定番で、自身でも2本愛用していますが、この度ニューメンバーがやってきました。
それがCIOTAです。
CIOTAは岡山の縫製工場・生地製造販売会社が立ち上げた、この秋冬にデビューしたばかりの新しいブランドです。
母体となっている縫製工場はデニムを縫わせたら岡山で一番クオリティが高いと言われていて、それってつまり世界で一番って事と同義なのです。
その証拠に、スキニーデニムで2000年代に一斉を風靡したスターデザイナーが昨年移籍したあのメゾンブランドや、モードの流れを変えたであろう特異な才能を持つあのデザイナーが手がけるメゾンブランドのアイテムも手がけているという事実があります。
そんな最高の生産背景を持つCIOTAの選んだブランドコンセプトは
「最高の素材をそのまま」
です。
こう書くとなんだかどこかのレストランの紹介のようですが、CIOTAのアイテムには全て最高級と言われるスビンコットンが使用されています。
どこかのブランドが単発でスビンコットンを使うことはあっても、全てのアイテムにスビンコットンを使用するなんてことは世界でもCIOTAだけだと思います。
素材の詳しい説明はこちらを読んで頂くとして、そんな最高級素材を惜しげもなく使って作るのはシンプルなデニムやチノパン、白シャツやトレンチコート、といった王道のアイテムたち。
それらを必要最低限のアレンジで、素材を最高級のものに置き換える事で新しい魅力を作り出しているのがCIOTAなのです。
例えるならば「羊の皮を被った狼」か「狼の皮を被った羊」といったところでしょうか。
(よく分かっていない)
今回toffに入荷したデニムも経糸は「本藍」で染めたムラ糸に、横糸はスビンを打つという恐ろしく美しい生地。
これは洋服業界(特に生地業界とか)の蘊蓄うるさいおじさんたちは裸足で逃げ出し、洋服に興味のない人が触っても「なんて気持ちの良い素材なんだ」と驚く、誰もが幸せになれる凄い生地なのです。
(あ、蘊蓄を言いたいおじさんは逃げ出してしまったので幸せにはなっていないかもですが・・・)
そんな素晴らしい素材を料理するときは出来るだけシンプルに、あまり手を加えずに素直に服にしています。
デニムであれば既に完成されている70年代のものをモチーフに、少しだけ(あくまでもさりげなく)現代的に。
ビンテージデニムが高騰しすぎて普段穿きは気が引けるけど、復刻は気分が上がらないよなあなんてファッション上級者に是非オススメしたいです。
そしてデニムってなんだか硬いし疲れそうなんだよねなんて、そこまでファッションに興味のない方にもデニムの固定概念を覆して好きになってもらえるような、本当に懐の深いプロダクトです。
最高級のスビンコットンを使用する理由は、ラグジュアリーに見せたい訳ではなく、とにかく「快適性」を追求した結果なのです。
今回の滞在中に手に入れたデニム(toffに置いてあるのと同じモデル)を1週間ほど穿きましたが、今まで穿いたどのデニムとも違う気持ち良さがあります。
13.5ozの厚さがあるとは思えない柔らかさ。
そして、コットン100%なのにストレッチ性をも感じるしなやかさ。
でも見た目は至って普通、という理想的なデニムです。
ちょっと褒めすぎかもっていう程に熱く語ってしまいましたが、目から鱗なデニムを是非店頭でお試しください。
ちなみに今回もう一本購入したのはtoffでは取り扱いがないのですが、ポケットの形を見ると分かる「あのモデル」です。(写真手前)
どちらも穿き込んでいくのが楽しみです。
それでは皆様、また8月末にお会いしましょう。
梅雨が明けて本格的な夏を楽しく乗り切れますように。
toff ディレクター関