toff director blog #41
皆様こんにちは。toffディレクターの関です。
Parisは先週末から寒くなり、季節の変わり目を感じています。
夏はどうしても着こなしがシンプルになってしまうので、ジャケットやニットなどのレイヤードを楽しめる秋は服好きにはたまらない季節ではないでしょうか?
(冬の後半になってくるとコートばかりで飽きてしまうので、秋から冬の始まりが一番楽しいかもしれません)
レイヤード、と言いつつも季節の変わり目はまだまだ暑い日もあったりで、本格的な秋服を着る事もできない中で気分を上げてくれるアイテムと言えば「靴」ではないでしょうか?
toffでは定番と言える靴は用意しておらず、毎シーズンの気分で良いものと出会えれば取り扱うようにしています。
それはスニーカーであったり、革靴であったり、時には別注という形でtoffのスタイルを足元から支えています。
確かに別注も楽しく魅力的ではあるのですが、セレクトショップとしてはやはりその「セレクト」によっていかに個性を出せるかが大切だと考えます。
そんなtoffの今シーズンの一押しはRussell Moccasinのスポーティングクレイチャッカです。
超有名な定番シューズでありながら、アメカジショップ以外でこの靴を見かけることはほぼないのではと思います。
いわゆるセレクトショップというのは流行に敏感なもので、ここ最近の流れではこういったラギッドなシューズをtoffのようなベーシックカジュアルに合わせる傾向ではないようです。
どこも提案していないのであれば、toffが提案する意味があるというもの。
もちろんそれが突拍子もないアイテムでは困ってしまいますが、その点ではこのシューズはクオリティも高く、普遍的なデザインですので安心です。
タフな印象のあるフォルムと、オイルがたっぷり染み込んだ自然なシボ革の組み合わせながら、履いてみるとそれはまるでスニーカーのようにノンストレスです。
個人的にはストレスのある革靴も緊張感があって好きなのですが、ニューバランスのように気付くと履いてしまう存在にもやはり魅力があります。
今から10年ほど前に当時ちょうど人気が出てきた某ブランドが別注したブーツ(型はPHだったかと)がRussell Mocassinとの出会いで、あっという間にソールが減ってくるほど毎日のように履いていました。
思えば、そのブランドも決してラギッドなスタイルなわけではなかったので、やはり当時の気分というか提案があったのでしょうね。
意外性のある組み合わせをする事で、スタンダードなアイテムが良い魅力を増すというのはファッションの面白さだと思います。
toffで取り扱っている上質なベーシックウェアにRussell Mocassinなんて相当洒落ていると思いませんか?
この靴の唯一の懸念点を挙げるとすれば、ライニングが貼っていないので白いソックスを履くと革の色が移ってしまう事です。
まあ、これはラッセルに限らず、ワークブーツなら普通のことなのですが。
そもそもワークブーツに白いソックスを合わせるなよ、って事ですよね・・・
汚れの目立たない杢グレー系やブラックにするか、どうしても白いソックスを履きたい場合はワークブーツ専用を用意して色移りしても気にしない事にするかで対応しましょう。
(白ソックス好きなので個人的には後者ですかね)
こんな文章を書いていたら新しい革靴が欲しくなってしまいました。
このブログは皆様に書いているようで、実は自分に向けて書いているのかもしれません。
皆が欲しい流行っているアイテムも素敵ですが、少し視点をずらしたファッションができる人がセンスの良い人だと思いますし、着こなしに正解がないのがまた楽しいところです。
Russell Moccasinに限らず、自分だけのお気に入りをtoffで見つけてもらえたらこんなに嬉しいことはありません。
それでは皆様、また10月末にお会いしましょう。
いよいよ始まる秋に思い切りファッションを楽しめる事を願っています。
toff ディレクター関