TF director blog #55
皆様こんにちは。TFディレクターの関です。
フランスでは10月末から冬時間となり、日本との時差は8時間になりました。
毎朝大体7:30くらいに起床するのですが、それだとまだ日の出前(今の時期だと大体8:15が日の出です)なので、外は真っ暗。
暗くて寒いフランスの冬がやってきました。
特にここ数日は雨も多く、夕方もすぐに真っ暗になるので、気分も滅入ってきます。
実際にフランスでは冬の季節になると鬱になる人が多いそうです。
日本で暮らしている時にはそこまで意識していませんでしたが、天候が心と身体に及ぼす影響というのは想像以上に大きいのかもしれません。
その反動なのか夏は皆さんとても陽気なムードを全身から発していますので・・・
朝の気温は低い時だと0度に迫るので、もう真冬のアウターが活躍する時期です。
そうなってくると気になるのが「今年のアウターどうしよう?」問題だと思いますが、個人的にも購入していてTFでもまだ少量在庫があるジャケットを本日はご紹介しようと思います。
ここ数年は冬のアウターを買っていなかったのですが、今年はCIOTAのMA-1と、さらにもう一着。
以前TFのブログにも登場していますが、このジャケットはCOMOLIの最高傑作だと個人的には思っています。
展示会で見た時に完全に一目惚れして、買うことを決意したのでディテールなどは全くチェックせずにオーダーしました。(TFの二人はそんなことないと思います)
アメリカを代表するワークウェアであるマッキノータイプのジャケット。
古着のそれは硬くて重いウールを使用しているので、きっとタフなアメリカンしか着こなせません。
でも形は最高にイカす、そんなジャケットを起毛をかけた軽いウールで作っているのでなんと着やすいことか。
しかも表地を二重に使う無双仕立てなので、袖部分は三枚の表地を使っている状態になります。
軽くてフワッと着られるのに、生地を重ねることで保温性を確保するという、本来の冬季ワークウェアの要素を現代的に解釈しているのがなんともCOMOLIらしいなって思います。
S Hでもダブルマッキノータイプのシャツを作ったことはありますが、COMOLIのこれはより絶妙なアレンジが施されています。
シンプルな服なのに(だからこそ)どれだけ時間をかけてデザインされているのか・・・と想像するに難くない素晴らしいジャケットです。
丸みのあるシルエットですが、決してオーバーサイズではない。
アメリカの古着をラフに羽織っているかのような印象もありつつ、実際に古着でやったらこうはならないという絶妙なバランス。
腰位置のフロントポケットもフラップを排除していますが、高さなのか大きさなのか、ハンドウォーマーとして完璧なんです。
思わず手を入れたくなるポケットと言いますか。これは実際に着てみると感じて頂けるかと。
この手のジャケットだとフラップ付きのパッチポケットのサイドにハンドウォーマーのスリットが切ってあるのが一般的ですが、それをせずに大胆なアレンジでやり切っています。
うーん、参りました・・・
そして襟を立てればマフラーいらず。
その分、襟はかなり大きめですが不思議と野暮ったくなりすぎないのも流石としか言いようがありません。
これは完全に個人的趣味ですが、昔からマッキノータイプに目がなく、ことあるごとに買い付けたり作ったりしていますが、この形、全然売れないんですよね・・・
アイテムによっては入荷してすぐに完売することも珍しくないCOMOLIにあっても恐らく不人気の部類に入るかと。
でも良いんです。いや、むしろそれが良い。なんて思ってしまうのは洋服屋の悪い癖。
皆が欲しいものは皆さんでどうぞ。僕たちはこっちにいきますので。みたいな考え方が洋服屋には昔からあるような気がします。
ちょっと大袈裟になってしまうかもですが、今まで見てきた洋服の中で一番感動したジャケットかもしれません。
マッキノーばかりたくさん着てきたからこそ感じた恐ろしいほどに洗練されたアレンジ。
あ、ちなみに背中のゲームポケットはありません。
大好きなディテールですが、このジャケットにはいらないかもですね。
これ以上足せない、引けない、そんなジャケットです。
暗くて寒い日が続いても新しいアウターがあれば、なんだか楽しい気分になってくるのが不思議です。
雨の日でも気にせず着ています。
こちらにきてから傘をさした記憶がありませんし、別にハイテク素材じゃなくたって濡れたら乾かせばよいという気持ちで過ごしています。
実際にウール素材って雨の日に向いているんですよね。
毛玉もたくさんできるでしょうし、数年後にどんなふうにくたびれてくるか、今から楽しみです。
そろそろ東京も冬本番みたいなので、お気に入りのアウターを探してみてはいかがでしょうか。
そしてTF LABOの方も引き続き応援よろしくお願い致します。
こちらでは(LABOだけに)所長日記を週一で書いておりますので、お時間ございましたら覗きに来てください。
それでは皆様、また12月末にお会いしましょう。
今年もあと1ヶ月。やり残したことがないように毎日を楽しく過ごせたらと思います。
TF ディレクター関