TF director blog #64
皆様こんにちは。TFディレクターの関です。
パリは10月の終わりにも関わらず、暖かい日が続いています。
10月上旬の方がまだ涼しかったかな?というくらい、ここ一週間ほどはシャツにジャケットでちょうど良く、ニットの出番は来週以降に持ち越されそうです。
家のクローゼットでは冬のアウターが既に待機中ですが、本日は今の時期に活躍中のブルゾンをご紹介します。
フライトジャケットの王道と言えばMA-1を真っ先に思い浮かべる方も多いかと思いますが、L-2シリーズはエポレットや裾のフラップなど、ミリタリーらしいディテールがふんだんに使われているジャケットです。
最大の特徴は「中綿」が入っていないこと。
ビンテージのMA-1なんかだと着丈の短さと相まって、カボチャのようなシルエットと表現されることもありますが、中綿なしだとオーバーサイズ気味に着てもうまくまとまります。
CIOTAはビンテージウェアを復刻という観点ではなく、上質な素材を用いることで現代における新しい「道具」を生み出すという目的で物作りをするブランドです。
ブランドの代名詞は希少な超長綿である「スビンコットン」を使用したアイテムですので、フライトジャケットには関係ないのでは?と思うかもしれません。
フライトジャケットと言えばナイロン素材が一般的で、シャカシャカまではいかないまでも、ちょっと艶が気になるんだよな、という方も多いと思います。
CIOTAの場合、コットン53%、ナイロン47%という、コットンの方が多い素材を使用しているため、硬さとハリは持ちながらもナイロン特有の光沢が抑えられており、大人が上品に着ることのできるフライトジャケットに仕上がっています。
そしてフライトジャケットで格好良さを作り出すもう一つ重要なポイント、袖や裾に使われている「リブ」です。
ここに拘らないと、なんだか薄っぺらく安っぽい仕上がりになってしまうのです。
オリジナルで編み立てられたウールのリブはビンテージさながらの雰囲気で、コットン/ナイロンの素材とのコントラストがとても美しいです。
袖のシガレットポケットには何も入れることはないと思いますが、これもフライトジャケットにはなくてはならないディテール。
ペンが4本挿せるのですが、ここにペンを挿している人をあまり見たことはないですね・・・
余談ですが、中学生の時に初めてMA-1を見たときにこのポケットに入っていたペンキャップを皆で見て、「銃弾が入っている!」と間違えて盛り上がったのが懐かしいです。
中綿が入っていない分、肩も自然に落ちるのでシルエットも綺麗です。
エポレットがそこまで目立たないのも良いですね。
ちょっと浅めのネイビーカラーと相まって、同じミリタリーアイテムでもフィールドジャケットと比べるとハードさはないかもしれません。
ジップアップパーカと合わせるとなんだかちょっと懐かしい着こなしになるかもしれませんが、上質な素材にアップデートしているCIOTAのフライトジャケットなら大人っぽく着こなせるかと思います。
同じ素材を使った中綿入りのMA-1も持っているので、もう少し寒くなったら交代でしょうか。
コートも良いし、ブルゾンも良いし・・・アウターの着こなしが楽しい時期が来ましたね。
それでは皆様、また11月末にお会いしましょう。
ニットもジャケットもコートも、秋から冬の着こなしを皆様が楽しめますように。
TF ディレクター関